フィラリア症予防について
フィラリアの事について知ろう!!
フィラリアは、犬の肺動脈や心臓に寄生し、全身の血液循環や内臓にも深刻な障害を与えるとっても恐ろしい虫です。その健康被害から愛犬を守るためにも、恐ろしいフィラリアの生態について理解して下さい。
犬糸状虫という寄生虫で、オスで体長約17cm、メスで約28cmと細長く、乳白色の『そうめん』のような形をしています。
ズバリ『 蚊 』です。。日本では約16種類の蚊がフィラリアを媒介します。フィラリアに感染している犬を吸血した蚊が別の犬を吸血する事により、蚊の体内にいるフィラリアの幼虫が犬の体内に侵入し、寄生するのです。
◎ 都内でとても多く存在する蚊を紹介します。
蚊の刺した後の穴から侵入したフィラリアの幼虫は、皮下や筋間で成長し仔虫となり、血管の中に侵入していきます。血管中に侵入した仔虫はやがて肺動脈内や心臓の右心室・右心房、そして大静脈に寄生していくのです。
蚊は湿気が多く、薄暗い所を好みますが、都内を例にあげると、排水溝や水たまり、雨水ます、プランターの受け皿などが主な発生源になっています。でも、蚊は自然の多い場所や街中を問わず、どこにでもいるものであり、犬のお散歩の間はつねに蚊に刺されるキケンがあると考えた方が良いでしょう。また、庭で放し飼いする場合なども同じです。
そして、室内飼いだから蚊に刺されないとは限りません。一般に蚊が少ないとされるマンションの高層階でも、風が強い日にはビル風で高層階まで飛んで行く事もありますし、人がエレベーターで一緒に連れていってしまうことがあるので、決して安心はできません。
フィラリアは犬の肺動脈内や心臓の右心室・右心房に寄生することで、心臓の働きを低下させ、全身の血液の循環障害が起こります。病気が進行していると最悪の場合、命にもかかわる程、恐ろしい病気なのです。
フィラリアの予防対策
上記の事柄からもわかるように、一番の予防対策は、蚊に刺されないことです。でも、蚊は何処にでもいますから、刺されないようにするのはとっても難しいですよね。
したがって、フィラリアの予防としては、蚊の発生シーズンから適切な予防薬を定期的に投与し、もしフィラリアが寄生したとしても、フィラリアの幼虫が成長し心臓に移動するまでの間に予防駆除をしてあげることがとても大切なのです。
蚊の発生する時期の約1ヶ月後から投薬をおこない、蚊を見なくなってから1ヶ月後の投薬まで、毎月欠かさずおこなう事が重要なポイントです。
※ 当院では、5月末から11月末までの合計7回の投薬、もしくは通年予防の可能な注射による予防を推奨しております。
もしフィラリアに感染していた場合、予防薬によって多量のミクロフィラリアが一気に死ぬ事により、アナフィラキシーショックを引き起こすなど重篤な副作用が発現する可能性があります。
このような危険を回避するためにも、フィラリア予防の投薬前に血液検査にて感染の有無を調べる事をお勧めしています。